いつかはここにいる全員があたしの一言で動くようになる
でも今は
「波夏」
秦に呼ばれる
「ん?」
「俺じゃあまり役に立たねえかもしれないけど
お前が抱えてる荷物をほんのちょっとでも軽くできるならなんでもやるからさ」
「お前じゃあたしの荷物増やすだけじゃね?」
「はぁ?
人がせっかくいいこと言ってんのに
もうしらねぇ」
自覚する
あたしはかなり秦にはまってるって
すねている姿さえ愛しく感じる
先に歩きだしてしまった秦の腕を掴んで止める
そしてそのまま秦の前に回り込みちょっと背伸びして秦の唇に自分の唇を重ねた
秦は固まってる
「なっ…波夏?!」
「ん?」
「ん?ってお前何して…」
赤くなってるのも可愛いかも
「早く帰るそ
仕事千秋に押し付けっぱなしなんだからな」
あたしはそう言ってバイクに乗る
「は?ちょっ待てって…」
慌ててる秦もいいかもな
あたしいつからこんな風に考えるようになったんだろ
まぁいいか
この時のあたしは知らなかった
あたしたちと別れた友哉が今どうなっているのかなんて



