か細い声で話すお袋を、とりあえず俺は部屋の中に入れる。

バタンとドアを閉める音が、いつもより大きく頭に響いた気がした。

いつもなら、必ず連絡位よこすはずなのに・・・。


「意外に部屋綺麗にしてるのね。お母さん安心した・・・」

「・・・ああ・・・珈琲でいいか?」

「あ、ありがとう・・・。寛久ちゃんとご飯食べてないんじゃないかって心配で、色々つくってきたの・・・。夜でも食べて?」


片手に持った紙袋をソッと俺の前に差し出し、お袋はほくそ笑む。

俺のお袋なのに。

家族だって解っているのに。


「ああ、わりいな・・・」


上手く会話が出来ない。

何も遠慮する必要なんかないのに、上手く言葉が出てこない。