朝から晩まで一日中冷え込むようになったが、まだ俺は実家に帰れないでいた。

クリスマスもなんだかんだで面倒で、一日中家に引きこもってやったし・・・。

奈々を呼んでやってもよかったが、奈々は友達とクリスマスパーティーだなんて騒いでたからやめた・・・。

大学も冬休み期間に入り、朔も正月は帰りたいから今のうちにとバイトに明け暮れる日々が続いているらしい。

親父からの電話も多くなり、正月くらいは帰るかと思い始めた頃・・・。

突然奴はやってきた。


「・・・寛久・・・元気してた・・・?」


白いシンプルなスーツに、薄い化粧。


「・・・お、お袋・・・?なんで・・・お前・・・」

「・・・中々、帰って来ないから・・・」


連絡もなく、お袋は突然俺に会いにきた。