身体を合わせれば、身体は熱を持つ。

熱を持った肌を合わせると、俺は此処にいると自覚できた。

女の手を引き、いつもの安っぽい派手な造りの建物の中へ入る。


「ねえ、寛久・・・。私と寛久は身体だけの関係?」

「・・・ああ、そうだよ・・・」

「やっぱりそうなんだ。・・・私も、それでいいよ」


身体だけでいいんだ。

心なんかいらない。

見馴れた部屋の中は、派手な天井に派手な壁紙で一見落ち着かない。

でも・・・。


「先にシャワー浴びて・・・ちょっ!」


でも、もうこういう場所に来過ぎて馴れてしまった。


「シャワーなんか、いらねえよ・・・。さっさと済ませちまおう・・・」


俺の寂しさを埋めるのに、何度女と肌を合わせただろう。

ダメだって、辞めろって、解ってるのに・・・。

なんでか俺は、逃げられない・・・。