キラキラと赤や緑のネオンが輝く街を、俺は細く柔らかい手を握りしめながら歩く。

首から方にかけてのしなやかな筋は、ネオンの光りによって色っぽい艶を出す。


「寛久、待って!待ってよ!そんなに急がなくても、私は逃げないわよ!?」


突然、雨でもないのに寂しくなった。

親父の声を聞いて、一気に俺の中の何かが溢れ出した。

やっぱり・・・ダメだ。

集まり合い輝く光り達を、綺麗だなんて思えない。

安っぽくて。

花がない。

その光りに集まる俺達は、それだけの価値しかないのだろう。


「寛久!・・・もう、聞いてよ!」


呼び出した女は、電話をかけると直ぐに出た。

会いたい・・・。

だなんて、思ってもいない言葉を投げかけてやったら、喜んで奴はやって来た・・・。

最低でも、俺にはこれしか残っていない。