接吻《修正中》

好きとか嫌いとかなんて言ってられない。

ただ・・・この寂しさと、苛立ちと、アイツへの憎しみを紛らわせればいい・・・。

空が涙を流す度に、俺に何とも言えない恐怖が襲う。

アイツの顔。

アイツの声。

アイツの笑顔。

全て偽物何だって言ってやりたいのに、俺は怖くてそれが出来ない。


「・・・ちょっ・・・!寛久!?」


俺に背を向ける女の体をグイッと引き、その上に馬乗りで乗り上げた。


「・・・悪い、力入れすぎたわ・・・」


グイッと引っ張る力が強かったのか、女の白い腕が段々赤く色付く。


「うんん、大丈夫。寛久って、変な所で優しいよね・・・ふふふ」

「何が可笑しいんだよ」

「みんな言ってるから・・・。寛久ほど、女好きで純粋な奴はいないって・・・それ、本当だなって」


女は何が可笑しいのか、俺の下でケラケラ笑い出した。