接吻《修正中》

雨の音が強くなる。

奈々は柴犬に雨が当たらないように、ギュッと柴犬を抱きしめる。

・・・馬鹿だな。

犬に気を取られて、自分が濡れてんじゃないか。

背中に、ポタポタ傘から落ちる雨が当たる。


「奈々、背中すげえ濡れてるぞ」

「え?!あ、気付かなかった」


本当に・・・馬鹿だ。

絶対お前、お人よしだろ?

困ってる人がいたらほっとけないとか、助けてやりたいとか思うタイプだろ?


「寛久・・・餌代とかは、私が払うから。・・・私のアパート動物駄目だし・・・だから・・・」

「駄目だ」


お前がどんなにお人よしでも、俺は犬に情けをかけるような優しい男じゃない。

お前みたいな優しい奴が、俺みたいなひねくれ者の側にいたら。

お前まで、ひねくれちまうよ。


「チャ太郎・・・」


奈々はヨシヨシと柴犬を撫でる。