接吻《修正中》

「寛久ってさ、私みたいに誰でもこんな風に抱くの?」


うん、そうだよ。

何て、今まで肌を合わせてた女に言える訳がないから、俺はフッと笑いながら女の首筋にキスを落とした。

白くきめ細かい肌は、俺の唇があたるとピクッと反応する。


「・・・ねえ、寛久。私と付き合わない?私、ずっと寛久が好きだったから・・・今日寛久から連絡来た時、凄い嬉しかった・・・」


たった一度の関係で、コイツは俺を本気だと言う。

・・・嘘をつくなよ・・・。

本当は、俺を隣に置くと自慢になるとか・・・羨ましがられるとか・・・そんな単純な理由なんだろ?

誰だってそう。

心の奥に、誰にも言わない秘密を持ってる。

ばれないように。

気付かれないように。

嘘を並べて、騙し合う。

俺だって、女を誘う理由に真実なんか言わない。

だって絶対、誰も信じないだろうから・・・。

雨が・・・ひとりが嫌い、何て。