接吻《修正中》

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あっという間にバスは俺達の降りるバス停に付き、朔は彼女が来るからと足速に家へと帰って行った。

俺は朔とバスが離れて行くのを確認し、俺も重い足を引きずるように家に向かい始めた。

本当なら五分位の道のりなのに、アイツがいると思うだけで足が進まなくなる。

兄弟がいない俺は、この気持ちを分け合う奴もいない。

親父にだって言えない。

言っては、いけない。

これ以上の何かが壊れてしまう気がして、言えないんだ・・・。

太陽は段々西へと傾くが、まだ水色に近い空が頭上に広がる。

鳥の声や、犬の鳴き声。

いつもなら耳を傾ける事のないそれらにさえ、今日は遠ざかるまで聞いていた。

ゆっくりゆっくり歩いても、気付くと家の前に着いてしまう。

・・・アイツはまだ、いるのだろうか?