『・・・おかえり・・・。・・・あら?頭に花がついてるわよ?』

『朔が女の子みたいだって言ってつけたんだ』

『ふふ、寛久が泣き虫だからよ・・・。だから朔ちゃんに女の子扱いされるの』

『違うよ!俺、泣き虫じゃないもん!』






・・・ああ・・・。

なんでこう、ひとつの憎しみが生まれると、楽しかった頃の事さえ忘れてしまうんだろうな。

嫌いだなんて、思うはずがないんだ。

あんなに、小さい頃は大好きだったんだから・・・。

言葉と一緒にしまい込んだ思い出を、掘り返す勇気がなかった。

なあ・・・。

本当に、全て終わるのか?

あの頃に戻るには、まだ遅くないのか・・・?

こんなにでかく成長したのに、あの頃みたいになれるのかよ・・・。

なれるなら、なりたい。

戻れるなら、戻りたい。

・・・家族に、戻りたい・・・。