アイツは、薬指にはめる可き指輪を中指にはめる。

そして、夜が来る前に薬指に戻すんだ。

それを知ってるのは、俺とアイツだけ・・・。

言葉を交わさなくたって解る。

それを、口にするなと。

誰にも口外にするなと・・・。

そんな暗黙の了解の中で、俺とアイツは暮らすんだ・・・。

逃げたりなんか出来ない。

だって、俺とアイツは―・・・。





親子だから・・・。