「え?」


「何の用かって聞いてるんよ」


「あ、はい。ええと」少し緊張しながら答えた。「入部したいんですけど」


「何で?」


間髪入れずに聞かれて、洋平はとまどった。


「え?」


「何で入部しようと思ったん?」


女生徒は無表情だ。ややあせりながら、洋平は、授業中に考えておいた理由を口にした。


「文化祭でやってた舞台発表を見て、感動したんですよ。それで、自分も参加してみたいな、と思いまして」


平凡だが、無難なウソだ。まさか正直に、下心のためですと言うわけにはいかない。


「どこに?」


「はい?」


洋平は、眉をひそめた。


「舞台発表のどこに感動したん?くわしく」