「クレハ」 呼びながら、その頬に触れた。 ゆっくり、顔を近づけ距離を縮める。 互いを見つめあったまま、やがてクレハが先に目を閉じた。 ……柔らかく、唇が重なる。 好き、も、愛してる、も、言葉は何もなかった。 重なった唇と。 絡みあった視線。 それだけで、満足だった。 彼女ひとりから吸った血の量では到底空腹からは抜け出せないはずなのに。 不思議なほどに、満たされていた。 微かに香る血の香りを纏って、愛しさが溢れていた。