猿田の顔をマジマジと見つめ、意思表示は固いと訴え掛けた。それに答えるように猿田はいやらしく微笑んだ。


「……ちょっと待ちなさい。そういう関係って?」


「誤魔化そうたって無理だ。僕は調べたんだよぉ? いい加減惚けるな! 金を貢ぐだけ貢がせ、逃亡した……君を怨んだよ?

見つからないはずだ! 顔を変えていたんだからな! さぁ、大好きな拓也さんに知られたくないだろう? あの関係を復活させようじゃないか!」


ジリジリとソファーに近づく猿田。すると咄嗟にテーブルの上にあった果物ナイフをりんは掴み、刃先を猿田に向けた。


「……やっぱり気づいてたのね」


リビングに緊迫感が流れる。


猿田はナイフを見ても、怯む様子はなかった。それどころか、りんの隣に腰を掛けた。