朝の食卓はお葬式のようだった。


りんは幽霊のように俯き、お父さんは、しかめっ面で無言だった。


ゲームだけが元気良く吠え、後は食べる音、食器がぶつかる音が暗闇で聞こえてくるだけだった。


りんの苦痛は私の喜びだけど、崩壊した家庭に、わざわざ帰宅するのも苦痛でしんどかった。


――お父さんを苦しめるくらいなら、早く離婚して家を出て行けば良いのに……


猿田先生はあれからりんと、どうなったんだろう?


先生が手を下すこともなく、お父さんがあのままだったら離婚も時間の問題かな……


ああー、りんが家に居ると思うと帰りたくないな……