「……お前に、これをやるよ」


「そ、それは!!」


もう一方のポケットから取り出したのは、サファイヤの、あのネックレスだった。


「頭を使え。いいか? 僕はあの事件の真相を知っている。そう言って誘き寄せるんだ。これを見せれば、必ず乗ってくる。

町の外れに小さな公園あるだろ? 誰も来ないような暗くて雑草ばかりの円山公園。

あそこに連れ出してくれ。僕は先に行って待っているから」


――これでこのサファイヤは僕の持ち物では無い。返せないくらいなら神谷にやるよ。


「恐いよ、これを持つのは……りさの怨念がこもってそうで……」


「だったら綾に渡せば良いじゃないか? それにばらされたらどうする? 僕たちはこの町で、ずっと害虫のような眼で見られるんだぞ!!!!」