「秋山! るいに曜子の怒りをぶつけるなんて筋違いだろ? 綾に言えよ?」


庇うように、三人の前に現れたのは神谷晋だった。


――こいつには、口じゃ言えないほど傷つけたのに、まだ僕を庇う……


「あはははははっ! お前ら本当に、ばーかぁ。授業の用意でもしてろよ、うぜーから」


僕は思わず笑いが零れた。この教室で天使の顔が、少しだけ崩れた瞬間かもしれない。


「ふーん、るい。あいつが怖くないんだ? じゃあさ……これやるよ」


目の前に置かれたのは、江藤りさのサファイヤのネックレスだった。


「こ、これは! お前ら……なんで?」