「麻美その話、聡子から聞いたの?」


「そっ。聡子の相談に乗ろうと思って」


2人の方に目線を一度向けたが、しらける話に、また鞄に視線を戻した。


「るい。昨日お母さんから聞いたんだ。山田家に乗り込んだら、るいが居たって……なんで?」


「別に」


机の中に文具をしまい込み、机の横の金具に、鞄を引っ掛ける。片付けが終わり、興味無さそうに頬杖を突いた。


「帰って来たお母さんは大泣きして、りんさんが殺したって言ってたけど何か知ってる? 知っていたら教えて欲しいの……」


耳元から聞こえてくる涙声に、うんざりと溜め息を吐いた。


「悪いけど、僕は何も知らない」