朝なのに、暗闇を灯す教室。すっかり他のクラスからは好奇な目で見られ、この教室は孤立していた。


この死の教室に、綾はまだ登校していなかった。


「おはよう、るい」


「おはよう、麻美」


僕は麻美の狐目を避け、席に座った。鞄から乱暴に教科書やノートを取り出す。


「亡くなった聡子のお父さん、綾のところの継母と、関係があるんだって知ってた?」


机に手を突き、楽しむように話す麻美の横から、暗い表情をした聡子が現れた。


「おはよう、るい……」


「おはよう、聡子」


泣きはらした真っ赤な目。昨日あれからお母さんは、どうしたんだろうか?