それからは当たり前のように、床でうつ伏せで泣きじゃくるりんの横で、綾は食べ物をお皿に取り分けていた。


「さぁ、るい君も帰りなさい。明日も学校があるんだ。ゆっくり眠りなさい。

先生は、りんさんのお話をこれからじっくり聴くつもりだ。それは、この人に取ってカウンセリングのようなものなんだ。

賢いるい君になら、分かるだろう?」


猿田が僕に問い質す会話も綾は無心だった。親指に付いたピザソースを猫のように舐めていた。


「分かりました。……綾、帰るね。また明日学校で」


無理やり天使の笑顔を作る。普段どう作っていたのか、天使の笑いを忘れるぐらいの衝撃的な光景だった。


「うん。またね、バイバイ」