「それじゃあ……適当に頼んでおくわね」


りんは電話の子機を片手に、出前のメニューを物色しはじめた。


――なんだか喋りにくいな。


「そうだ、ゲームは元気? だいぶ大きくなったのかな? 見せてよ綾」


「小型犬だし、変わってないよ……部屋にいるよ。見る?」


愛犬の話題で、少しだけ綾のトーンが上がり、僕はちょっぴりほっとした。


「見る見る! 綾の部屋に入るのも初めてだね。行こう行こう!」


「ふふふっ。二階に上がってすぐだから」


綾がソファーから立ち上がり、僕も続いて立ち上がった。


「るいくーん! ちょっとこっちに来てくれない?」