――りんさんがこんな人だとは思わなかった……。


綾がこの人のことを、苦手とするのが分かるような気がした。僕は生唾を飲んだ。綾を手にする。それは凄くどきどきし、ワクワクするシナリオだった。りんさんと僕。多分似てるんだ。似たもの同士。だから綾は、僕から逃げるんだろうか?


「さぁ入って、るい君。ソファーに座って……なにか、そうだ! お菓子でも食べる? 綾ちゃーん、るい君が遊びに来たわよー!」


綾は僕の顔を見て、なんて思うんだろう。そう思いながら、今か、今かと綾が下りてくる階段を見つめていた。


「どうしたの!? るい!」


綾は素直に驚いている。本当にりんさんを虐めているんだろうか?


その時、背後から僕の首にりんさんの両腕が巻きつけられた。背中に女性特有の柔らかさが伝わる。


「るい君、可愛いよねー! 夕食にご招待したの。綾ちゃんも嬉しいでしょう?」


ベタベタと僕に纏わりつく、りんさんに綾は嫌悪感を現した。