「ここの店長は、ネットを出会い系か何かと勘違いしてるような男なの。従業員さんは大変ねぇ~? こんな、ろくでなしに扱き使われているなんて」


店長の肩に指を食い込ませ、若い女性店員に向かって言い放った。


ほらほら~、怒鳴られた恨みを晴らすように、お店の連中にちゃんと伝えるのよ?


「ネットで女を買おうとしてる男なの。最低よねぇ? ねぇ、そこの貴方、そう思うでしょう? 振られた腹いせに、私を欲求不満だとか糞女とか嫌がらせするのよ~所帯持ちのくせに良くやるわ~女の敵よねぇ?」


「て、店長!?」


若い女は唇を震わせ、男から一歩一歩退いた。


「あ、相田さん、違うんだ。誤解しないでくれよ、この女は頭がおかしいんだ」


「あーら頭がおかしいですって? はぁ? 頭が狂った女に貴方は、うちの嫁と取り替えたいっておっしゃったの? 恐ろしく無能な男ですこと」


アルバイトの若い女性は、この場が耐えられず走り出してしまった。


「ま、待ちたまえ! 違うんだー!!!!」


ちゃんと職場の皆に伝えなさい。このつまらない男のことを。雑魚で、蛆虫野郎のことを噂するのよ?


「君! なんなんだよ! この前とは随分態度が違うじゃないか!!!!」


「なにもかも知っただけ。あんたがKEIってことも。影で愚弄していたことも」