体の線が出る、セクシーなブルーのワンピースに着替えていた。胸元には、美樹子の旦那に借りたお金で買った、真っ赤なガーネットの宝石が光っていた。暗闇のような青に対照的に輝いている。


努力が実る宝石……今の私にぴったりね。


全身が映し出される鏡の前に、うっとりと立っていた。


どういうストーリーが、綾を陥れるには一番効果的かしら? 出切れば、一生服従させるぐらいのモノ……るいに会うとしても、綾と自宅で顔を合わせてからでは不味い。計画というのは感付かれたらお終い。


影に隠れ、用意周到に牙をむく。それが私のやり方。下校にはまだ時間がある。


まずはあのブログに火を付けた、スーパーの店長に仕返しをしようかしら?


ひっそりと潜伏したブログだったら、栗田家にばれずに済んだかも知れない。一番の悪は綾かもしれないが、二次被害をだした、この男の罪も重い。この男の口から、行きつけのスーパーでブログの内容を言われたら一溜まりもない……それこそプライドがズタズタだ。


下着だなんて、顔から火が出そうに恥ずかしい。しかも、糞女呼ばわり。絶対に口止めしなくては。


怒りに思考を任せていると、あっという間にスーパーの前に行き着いていた。


――あの男は、いるのかしら? 絶対に許さないんだから!!!!