指先に力を込め、怒りに任せて電源を消した。


削除は本人しか出来ない。


交換条件を出せるように、同じ土俵に上がらなくてはいけない――悩んだ末、頭に浮かんだのは美少年の男の子、るいの顔だった。


綾はどうだか知らないけど、るいは綾が好きだ。使わない手はない。


ガキと同じ土俵に上がるなんて、私も落ちたものね。


いや、綾がそれだけ意外と出来る女だったって、ことかしら? 喜びなさい。女って認めたんだから。


拓也さんとの関係をぶち壊すならば、誰であろうと地獄の底へ突き落としてやる。