拓也との部屋に戻り、ゆっくりと腰を掛ける。


自分の下着の画像にイライラしながらも、日記の文章を丁寧に読み、1人づつコメントをチェックした。


後半の日記には、やたらとコメントが多いのに気づく。おかしいと直感した私は、そこは特に隈なく見ることにした。


「なにこれ? ……私と会った」


――俺はりんさんと会いました。その時、異常者のような眼で睨み付けられました。この糞女、ここでほざいてる事と全然違う
KEI


「このコメントの日付……間違いない! 忘れもしない宝石を買った日だわ!? そして冷たくした男と言えばスーパーの店長。欲求不満呼ばわりしたのは、この事だったのね!?」


だからか……粘りつくような視線をあちらこちらで感じた。偶然じゃなかった――。


誰がこのブログを見ているのか分からない事実。急に背筋が寒くなり、ジリジリと恐怖が心を占領し始めた。


――このりんさんって人、シンデレラ・ドリームの桃華さんだよな?
伊豆


崩れていく。折角積み上げた幸せが、小さな綻びによって雑巾のようにボロボロになっていく。徐々に冷や汗が滲み出した。


このままじゃ、いつ拓也さんの耳に入るか分からない。早く削除をしなければ。


だが綾に削除してと、普通に言ってしまったら、それこそ確信となって拓也さんに伝わってしまう。