ードン!! ドンドンドン!!!! ピンポーン!! ピンポーン!!


「開けなさい! この泥棒猫!!!! お前がやったんだろ!?」


朝方。


嵐による強風が、扉を打ち付けるかのように、戸口で強打するノックの音が聞こえる。


「誰だ? 何事だ……」


「拓也さん、怖いわ。一緒に行きましょう? 1人じゃ見に行けない」


「そうだな、それともお前はここで待っているか? 不審者かも知れない」


「いいえ、私も行きます」


真っ白なシルクのネグリジェの上に、ピンク色のカーディガンを羽織った。


下におりる気になったのは、微かに耳に届いた怒声が、女の声にも聞こえたからだ。