――誰? 美しい宝石をずっと見ていたいのに。
声の方を見ると、くたびれた痩せ型の中年男性が立っていた。
今日は良く話しかけられるわね。どこかで会った? ……でもこの人は、見覚えある気もする。
キョトンとした表情をし、思い出そうとした。
「忘れちゃったのかな、少し寂しいな。隣でたまに顔を合わせるくらいだからかな……休みの日に家にいると、美樹子がうるさくて時間潰しにウロウロとしていたんですが、まさかりんさんに会えるとは」
男は鼻の上の黒縁メガネのフレームを、人差し指で持ち上げた。
――美樹子? もしかして栗田さんの所の旦那? 妻はぶくぶくと太っているのに、夫はガリガリに痩せているのね。なんだか同情するわ。
「栗田さんですよね。ごめんなさい、即答しなくって」
わざと目を大きく、可愛く笑顔を作った。
「良いんですよ。慣れっこです。近所では美樹子ばかりが目立って、私は影が薄いですから」
「そ、そんなことはないですよぉー。ごめんなさい今立て込んでまして、この変で」
軽く会釈をし、またショーケースの宝石に視線を戻した。
「うちの家内がりんさんに迷惑を掛けているみたいですね、すみません」
声の方を見ると、くたびれた痩せ型の中年男性が立っていた。
今日は良く話しかけられるわね。どこかで会った? ……でもこの人は、見覚えある気もする。
キョトンとした表情をし、思い出そうとした。
「忘れちゃったのかな、少し寂しいな。隣でたまに顔を合わせるくらいだからかな……休みの日に家にいると、美樹子がうるさくて時間潰しにウロウロとしていたんですが、まさかりんさんに会えるとは」
男は鼻の上の黒縁メガネのフレームを、人差し指で持ち上げた。
――美樹子? もしかして栗田さんの所の旦那? 妻はぶくぶくと太っているのに、夫はガリガリに痩せているのね。なんだか同情するわ。
「栗田さんですよね。ごめんなさい、即答しなくって」
わざと目を大きく、可愛く笑顔を作った。
「良いんですよ。慣れっこです。近所では美樹子ばかりが目立って、私は影が薄いですから」
「そ、そんなことはないですよぉー。ごめんなさい今立て込んでまして、この変で」
軽く会釈をし、またショーケースの宝石に視線を戻した。
「うちの家内がりんさんに迷惑を掛けているみたいですね、すみません」


