再生ゲーム

「今日、僕は先生じゃなく、猿田さんと呼んでください。お父様の下のお名前は、拓也さんでしたよね!? お父様のことも今日はお友達のように拓也さんって呼んでもいいですかぁ!? 日本酒は大好きです。ガンガン飲んで、男同士しか分からない悩みなども、語っていきましょう! 恥ずかしながら、男友達っていないんですよ。この職業だと、いろいろ難しくってねぇ……」


寂しさの語尾を残すと、猿田はビールを一気飲みをした。プファーと吐く息は、酒臭さと混じり合い、また新たな異臭をあみ出していた。


「りん、悪いな。日本酒を出して来てくれないか? 君も一緒に飲もう」


横に座るりんに、苦笑いでお願いをした。


りんは、『止めとけばいいのに』という表情を、気づかれないように、父に向けた。


「拓也で良いですよ。猿田さんは面白い方なんですねぇ……とても教師とは思えないです……確かに教員は悩みが多そうだ」


意外にも、父は楽しそうだった。ハンバーグを切っては、口に入れ、終始笑顔だった。


「そうなんですよねぇ~! ここだけの話、やっぱりねぇ~男女の問題も多いですよぉ?」


ニタニタと笑い、猿田もお肉を押し込んだ。


りんは冷ややかな眼をし、3人分の日本酒をコップに注ぐ。支えている手が、微かだが震えている。


「男女の問題? 生徒? それとも先生達同士でって話ですか?」


「拓也さん、先生同士っていうのはないんですけど、生徒達の恋愛は激しいものですよぉ……特に父兄はもっとかな? 不倫ってやつですよ」