「お待たせ神谷、行こうぜ」


「ああ、るい」


僕の肩をそっと叩く、るい。


君の笑顔を見ると、ついつい惑わされてしまう。


僕が陥れられた事さえも、忘れてしまう。


いくら好きとは言え、君の深い闇に僕も一緒に落ちるべきなんだろうか?


「お前、今日変だったよな?」


真正面を見つめ会話をする、るい。


僕の顔をせめて見ながら、話して欲しい。


「なんのこと? いつもと同じだよ」


いつも見つめるのは、僕の方だけなんだ。


こうして、信じてと言う眼を向けても、君は表情を確かめないんだね。