「お前、今度はりさを餌食にさせたいのか?」


麻美を見上げ、睨み付けた。


「そういう意味じゃないわ。試して見たいだけよ! 猿田の力を。今のりさなら、綾を追い詰められる気がしない?


悲しみに暮れる感情は、怒りに反転すると、膨大な憎しみになるの……秋山なら分かるでしょう?」


嫌なほど、分かる。


「猿田に仕返し、しましょうよ! 私達しかいないわよ」


尻を叩かれた、忌々しい記憶が蘇る。


「分かった。麻美に考えがあるなら、俺は見守ってるよ。このサファイヤは取り合えず、預かっておく。その時が来たら、俺がりさに謝るよ」


「そうこなくっちゃ!」


暗闇の公園で、麻美の眼光が鋭く放った。