麻美が、スカートのポケットから俺に差し出したのは、サファイヤのネックレスだった。


「お前これ……りさがずっと探していたのは、これだったのか! 


このネックレスは曜子とりさの親友の証だろ!? お守りのように肌身離さず、大事に持っていたんだぞ!」


「そんなの知っているわよ。でも今となっては貴方にとっても形見で、物凄く欲しいものでしょう?」


麻美は当たり前のように、俺の顔を見据えた。


――この女……。


確かに俺は、心の奥底でいつも曜子を呼んでいた。助けて、助けてってな。でも……だからと言って、このネックレスは……。


「いらないの? 曜子のことが大好きだと思って、盗って来てあげたのに」


暗闇で青く光るサファイヤを見つめた。とっても綺麗に輝いている。この煌きは曜子の姿に、なんとなく似ていた。