再生ゲーム

 床の冷たさが、痛んだ後頭部を優しく支えた。


「おい、秋山! 電気は消した。ほら、お前の荷物だ。早く帰れ、外は暗いぞ!」


ドサリという音色が、足元に放り投げられた鞄だと、嫌でも察知する。


「また、ダンマリか……門が閉まる前に帰るんだな。先生はお先に失礼する」


革靴の足音が、静かな廊下に反響する。コツコツ、コツコツと徐々に徐々に遠ざかる。


離れていく音に、安心感が蘇生していくようだ。


静寂になった空間に、ほっと息を吐き、眼を瞑った。我慢していた涙が、自らの意思と反して、溢れ出した。


瞼は閉じられているのに、目元を両腕で隠した。


立ち向かえる力がない自分。小さな人間を消し去りたいかのように……。