「なんだ? 強がってた割りに、怯えているのか? ん、 秋山君よ、教卓の前へ来なさぁ~い」


無言で不機嫌な顔を作り、面倒臭そうに肩を揺らし移動した。


あまり近づくと、あの臭いで反吐が出そうになる。それだけはごめんだ。わずかに、心なし、一定の距離を置いた。


「先生の言いたいことは嫌がらせをなくしたい。それだけだ……止めてくれるよね?


君が、卑劣な虐めをやっていたのは、一目瞭然。逃げられないよぉ~?」


「なにを言っても、先生は山田の味方なんでしょ? はいって言うしかないよね? あいつとは関わりません。これで良いでしょ」


猿田の耳毛が、風にそよいだ。顔面が険しく、しわを寄せ、悪魔のように変化をしていく。


――なんでだ? 謝罪したじゃないか?