――放課後。


俺は、猿田のお仕置きを受けるために居残る破目になった。


そもそも、おかしいじゃないか? あいつ、今までハッキリ言って、虐めを見てみぬ振りをしてきたよな?


なぜ今更、山田綾に味方をするんだ? 俺は間違ってない。曜子を苦しめたあいつを許さない。


でも猿田が怖いのは……皆と一緒。どうすれば――。


猿田が教室へ来ないのでプラプラと渡り廊下を放浪していた。それも飽きて、結局戻ろうと、扉を開けた時だった。


「お前、なにしてんだ?」


「ああ、秋山君――ちょっと探し物をしていたの」


それは、あっちこっちをガサガサと詮索している江藤りさだった。