再生ゲーム

 猿田は左の腕時計を、確認した。


「そうだな、そろそろ授業だ。行かなくっちゃな。並木るい君、先生と山田さんの、あつーい会話を邪魔しないように。


山田綾さん、ではまた」


面白くないような表情を浮かべ、猿田は背中を見せた。


「ほら、綾、間に合わないよ。上へ行こう」


「う、うん……」


このまま、貴方の優しさに甘えていたい――でも


プールがある3階に向かう階段は、2人だけの空間だった。


「私と猿田が一緒にいる時は、気をつけてよ、るい――困る」


先へ先へと手を引っ張り、上に上がる、るいを、少しだけ下に引っ張った。