――あのオジサンが、この家に遊びに来る? ……それは流石にないでしょう!


「聡子のお母さん、考えすぎですよ。りんさんは異常なくらい、お父さんの事が好きですから」


首を横に振って、笑いながら言った。


「そうよね、それなら良いの。変な事を言い出して御免なさいね……忘れて!

今のは、りんさんに内緒よ? 綾ちゃん、安心したから家に戻るわね。お大事に」


聡子のお母さんは、腰を低くし玄関の戸を閉めた。


――まったく。なにを言い出すんだか! あーっ、焼きソバが伸びちゃう!


急いでキッチンに走り、焼きソバに入れたお湯をシンクに流す。熱い湯に反応し、シンクがボンッ! と音が鳴り、びっくりした。