聡子のお父さん、気さくで良い人だね。うちのお父さんよりは見た目がオジサンだけど。ふふふっ。


とにかく誰もいなくて良かった……勘違い、勘違いっと。


玄関の扉に鍵を掛け、包丁を元の場所にしまった。寝る準備をし部屋へと戻る。


「竹内りりかとは、どういう関係!」


「……だから何度も言わせるなよ。君と結婚したんだから、何もないのが分るだろう?」


思わず立ち止まった。大きな声で両親たちは、まだ喧嘩をしていた。幸せのために結婚したのに、まるで自分からぶち壊しているみたい。嫌な女。


もう早く寝よう。明日は曜子の話で持ち切りだろうなぁ……虐められないといいな。