「それじゃあ僕だけなんだ! はーい、お勉強しますー! またねぇー猿田先生!」


「……おい、そこの君。あの子は何年何組の誰だ?」


「確か名札には、一年一組篠原俊夫って書かれていたと思います……」


「そうか。ありがとう」


ニィと笑い、後ろを姿を見せた先生のその背中も、獣の雰囲気が漂っていた。


暫くして、元気良く走り回っていたその生徒を見かけることがなくなったので、気になっていた私は教室をこっそりと覗いた。