再生ゲーム

 ――出かけた? どこに……まさか家じゃ!


「お母さん、突然訪問をしてすみませんでした。有難う御座いました。し、失礼します」


一滴の冷や汗が流れ、慌てて、駆け出した。


猛烈に、自宅へ向かわなかったことを後悔した。


「朋子! 綾! 無事でいてくれ!」


もうスピードで、小さな自宅のアパートへと向かう。


頭の中に、井上の不気味な微笑みが浮かんだ。賞を取ったあの絵よりも醜く、リアルより鮮明に、狂気に満ちた笑顔だった。