彼女に絵はまだ完成しないのか? 学園の絵画コンテストも近々だぞと、遠まわしに諭すように言い出したが、


「皆さんの力になるよう、努力するほうが先なんです」と言い返され、思うように伝わらなかった。


部員達も我慢の限界が来たようで、お菓子やジュース、彼女の手作りの差出物には、とうとう手をつけなくなった。


それもそうだ。あの吹き出物を見ていると、まず食欲がなくなる。


――ナゼナノ? ナゼ、ミナサン、テヲツケナクナッタノ? ナゼ、ニラムノ? ナゼ? ナゼ?


部員達は、もう差し入れはいらないんだと、彼女が気づくと思ったらしいが、裏腹に手作りのお菓子は増えていった。