一週間前のことだ。




私の母の親友であるらしいこの学校の島野 歩美(しまの あゆみ)理事長が相談したいことがあると我が家を訪ねてきた。



理事長は、まだ就任して3ヶ月らしい。


しかし前任の理事長が何をしていたのかは知らないが、
学校があまりにも目に余る状態なので学校改革を考えているという。



そして彼女の改革の内容はこうだ。




改革には、教員からの指導だけではなく、生徒の側からも生徒の指導を行う必要がある。


残念ながら、今は生徒会と呼べるほどの機関すらないので、生徒側の指導者がいないのだそうだ。



学校のこともまだよく知らないというのに、どの生徒が優秀だなんてわかるはずもない。


なら、例え別の学校にいようと信用出来る人物に頼るのが正解ではないか、と。




「ねぇ、お願いよ~雅ちゃん!あなたしか頼れる人がいないのよっ」




よく分からない変な理由だとは思ったが、んな風に言われたら押しが弱い母が申し出を断れるわけもなく
私は私で別に学校に未練なんてなかったから、
転校する話は案外スムーズにまとまった。




「あ、それでね、転校初日はまず始めに理事長室にきてほしいんだけど……ウチの学校、何気に広いから迷っちゃうかも。地図書こうか?」



「いえ、結構ですよ。そちらに私の幼なじみがいるので、彼に案内してもらいます」





そう、この学校には私の幼なじみがいる。