「ほら学校行くぞ」

「あっうん」


私はいつも通り学校まで
送ってもらった。



「ゆり!」

「あっ里来、おはよ」

「てか、ゆりすごい噂たってるよ!」

「え?」

「ゆりがヤクザとつき合ってて
 毎日送り迎えしてもらってるって!」

「里来、黙っててごめん。
 それ本当なんだ」

「知ってるよ?」

「えっ?」

「ゆりが前話してくれたでしょ?
 同居してるとこ。
 そん時にゆり、まだつき合ってない
 って言ったんだよ?
 それ聞いた瞬間、ゆりはそいつの事
 好きなんだなって思った。
 それから送り迎えしてんの
 知ってたし!」

「そうだったんだ」

「てか、知らない方がおかしいぞ!
 妃亮っやつここら辺じゃかなり
 有名なヤクザだぞ」

「そうなの?」

「あぁ」



そうなんだ。



そのとき私はまったく
気にしていなかった。




まさかこんな事をなるなんて…