あれは…
かなたの一周忌…
やっぱり、初恋の人を
簡単に諦めることなんて出来なくて、
私がグズグズと泣いていると、
見つけたんだ。
――――――君を…――――――
はじめは、ニコッと笑うだけだった。
私の大好きな優しい笑顔で…
で、そりゃー驚く訳ですよ。
だから、私はちゃんと言いましたよ…
「お母さん、かなたがいるよ。」
ご報告しましたよ。
なのにさ、返ってきたのは、
「いるわけないじゃない。
頭でも打ったの?
そうね。のんは、かなた君のこと、
大好きだったものね。
幻覚でもみてるのよ。」
だってさ…
ひどいよね~
いるっての!!
その時、かなたは
カラカラと笑った。
でも私にはどこかさびしそうに見えた。