「行ってきまーす!」
「行ってくる」

外に出ると新鮮な風が吹き抜け、
中学の時よりも短いスカートをひらひらと揺らし、
入念に整えた髪の毛をなびかせる。

「はーあ、なんで高校まで捺くんと一緒なんだろ…」
「何言ってんだ、お前が俺のいるとこ選んだんだろ」

本当に俺のこと大好きなんだな、と自意識過剰になっている兄は放置。

「なんか…ドキドキするかも」

それは、新学期特有の。
この先に待っている世界へのたくさんの期待と、少しの不安。


「お前なー、高校生活に夢見すぎだぞ?」
「もー、いいじゃん夢見るくらい!捺くんより楽しく過ごしてやるんだからーっ!」

べーっと舌を出し、挑発する仕草をしてみせる。

「なっ!お前なんかには絶対無理だからなー!」


対抗してくる彼も、私に負けないくらいのお子様だってことは重々承知しております。


「待っててよ、私の青春!!!」