でも、隣でケータイを開く独特のカチッって音がするから
恐る恐る開いて、そっと画面に視線を落とした。
「……あ…」
思わず漏れた声。
隣からはクスクス笑う声がして。
「とりあえず買ってこようか。」
コクンと頷いて、ついていく。
そこでお互い雑誌を店員さんに渡したときも、その後のやり取りもずっと上の空だった。
買い終わって涼介とまた合流すると、
またあたしの大好きな笑顔を向けてくれた。
「食べ、いく?」
「ご馳走になります。」
丁寧にお辞儀したら、爆笑された。
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地下のフードコート。
「なにがいい?」
聞かれたけど、あたしが答えるより早く涼介はあたしの行きたいお店の方に向かい始めてて。
「答えなくてもクレープ屋さんに向かってるじゃん。」
そうやって言うとまた笑って、
「じゃあ、席とっといて。買ってくるから。」
「え?」
まだあたし、これがいいって伝えてないけど。
「大丈夫。待っといて。」
あの笑顔をむけられて、それ以上何か言える筈もなくて。
「わかった。待ってるね。」
一度別れて、私は席をとりに行った。

