まるで魔法でもかけたように、ゲームの展開はあいつの思う通りになっていくんだ。
ふと、呼吸を止めていたことに気がつく。
「すっげぇ集中力。」
いつの間にかこっちに来たらしい聖。
「恭也もかわいいトコあんじゃん!」
一毅にからかわれても今のは流石に仕方ない。
返す言葉がなく、しかたなく「うっせ。」とだけ言い返した。
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ホイッスルが響く音と共に放たれたボール。
見事にリングをすり抜けた。
ブザービート。
ずっとやってみたかった奇跡。
それがたまたまできてしまった偶然に、感動していた。
「真美、、すごいよ、圧勝だよ!」
葵に抱きつかれ、あたしも腕を回した。

