「あんまりカリカリすんなよ、」
一毅に言われ、少し冷静になろうと努めた。
「今、一年生はバスケなんだな。」
ふと言われた方に目を向けると、見覚えのある姿がジャンプボールをする所だった。
「…尚輝、わりぃ、サンキュ。」
素直に口から出てきた言葉。椅子をスライドさせ窓の方へ向いた。
バスケやってるときのあいつの動きは、何をしていても誰より綺麗で視線を奪われる。
ドリブルも、パスも、カットも、相手を抜く瞬間も。
でも一番はシュート。
しかもスリーポイントのときのしなやかに伸びるフォームが―――
頭の片隅で思い浮かべた瞬間、実際にアイツがスリーポイントを極めて。
あぁ、やっぱり誰よりも綺麗だ…。

