ドリブルをカットしたものの、南美にパスすると読まれていてなかなかパスできないし、南美自身、ディフェンスを振りきれてない。
なら、、、
思いっきりボードに当てた。
でも、シュートだと思った相手チームはゴール下へ。
跳ね返ってきたボールをキャッチして、フリーになった南美に素早くパスを出す。
南美が立っているのはスリーポイントライン。
南美のシュートの邪魔をしに来た相手メンバーと南美の間に立って、ガードできないようにする。
南美はコントロールがいいから、ゴール下よりもスリーポイントの方が得意。
本人曰く、その方がゴールがはっきり見えるらしい。
確りと狙いを定めて打ったシュートは、ボードにもリングにもぶつかることなく、
静かにネットに擦れる“シュッ”という音のみをたてた。
「ナイスコントロール!」
あたしが言うと、右手でつくったピースを真上に掲げた。
あたしが授業のバスケで大切にするのは、一人最低ワンゴール。
取り敢えず、目標達成。
だから、ちょっと頑張ってやっちゃおうかな。
あたしは、相手ゴールの前に移動した。
スタートは相手ボールから。
現在12-0。
5分ゲームで、あと残りは2分。
どこまで引き離せるか。

