「何その誤解を招く言い方!」
「誤解も何も。一緒に風呂入った仲だろ?」
「幾つの話よ!」
幼稚園児位のときが最後なはず。
「恭也、彼女いるなんて聞いてねぇぞ!」
尚輝ってやつ、本当に話聞いてた?
今の流れでどうしてそうなるの?
……最低。
「っ…!」
思いっきり睨んだら、すっごく驚いた顔してる。
そのまま気まずそうにそっぽむいちゃった。
「そんなんで泣いてんじゃねぇよ」
え?泣いてる?
頬を触ると、確かにぬれてて。
「別に、もういいや。そうね、ハチマキ無くても死なないもん。」
素早く涙を拭いて踵を返した。
「いや、ちょっと待てよ。」
腕を捕まれて引き寄せられたけど。
「これ、返すから!」
恭のシャツを顔面に叩きつけて。

